賛否両論!?ONE PIECE FILM REDをレビュー!

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(C)尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会

こんにちは、とらと申します。

今回は、ONE PIECE FILM:REDを鑑賞して来ましたので、そのレビューをしたいと思います。

ネタバレありのため、まだご覧になっていない方はブラウザバックしていただけますと幸いですm(_ _)m

総評

物語★★☆☆☆(2.5)(★★★★★)
演出★★★★☆
映像★★★★☆
音楽★★★★☆
総合評価★★★★☆

音楽が秀逸、adoの歌のセカイ

本作の最大の特徴は、やはりadoの歌ではないでしょうか。
本作のヒロインであるウタのライブを中心に進むストーリーであり、とにかくadoが歌います。
上映時間の何割くらいが歌なのかわからないくらい、BGMとしても演出としてもadoの歌が全面に出てきています。

歌唱力は流石のひとこと。
様々な感情や場面展開をイッパツで表現する力は素晴らしいですね。

世間的には、歌が多すぎると言う意見もあるようです。

個人的には、ミュージカルのような分野の演出なのかな、と思っています。

ミュージカルでは、感情表現や場面説明のため、音楽や節をつけてより情感豊かに世界観を表現します。
日本ではそれほど見られる演出ではありませんが、FILM REDは、あまり違和感なく歌を演出に取り入れられるような作りになっているのかな、と思いました。

とても好きでしたが、どうしても歌の比率が多く、万人受けが難しいかなという印象もあり☆4にしました。

映像はぬるっぬる、ド迫力のバトル

続いては映像です。
ONE PIECE映画は大体そうですが、今回も映像はぬるっぬる、キャラクターや舞台もオシャレです。

舞台となる島自体は、LIVE会場があること以外は、古城と普通の島なのですが、ウタの能力により空気中にポップな演出が常にちりばめられており、非日常感がありました。

キャラクターデザインも良かったですね。
ONE PIECE映画は、衣装が特殊すぎて受け入れづらい回もあったりします。
ですが、今回は途中で衣装チェンジをする関係からか、通常パートがちょっとオシャレな気合い入れたくらいの丁度いい塩梅でした。

盛り上がる場面では、がっちり派手な衣装でこれも良い感じです。

そして、そのオシャレな空間でのバトルは圧巻のひとことです。

いつもと違い、麦わら海賊団vs敵幹部のマッチアップではなく、他の海賊たちも一緒になっての多vs多、多vs1の軍団バトルが中心でしたので、バトルがスピーディでした。

流れるように次々とキャラクター達が技を繰り出していく場面が非常にカッコいいです。

事前の予習が必須?物語に隠されたバックグラウンド

これが今回一番レビューの難しい部分かなぁ、と思います。

というのも、ストーリー自体は非常にシンプルな作りなんです。

ネタバレ全開でいきますが、大まかなストーリーは以下のとおりです。
①世界的な歌姫、ウタのLIVEを聞くため、エレジアに集まった麦わらの一味。
いざLIVEが始まりウタの姿を見たルフィは、それがかつてシャンクスの海賊船に乗っており、幼少期にフーシャ村で共に過ごした相手であったことを思い出す。

②2人はかつてを懐かしみ、再会を喜ぶ。
以前はお互いに海賊になり新時代を作ることを夢見て競いあっていた2人だったが、ウタはルフィが海賊になったことを聞き、海賊をやめるよう促す。
当然申し出を拒否したルフィに、それじゃ仕方ないね、とウタが「ウタウタの実」の力で襲いかかった。

③実は、ウタはかつてシャンクスが自分を裏切り、お世話になったエレジア王国を滅ぼしてそこにウタを1人置き去りにされたことを恨んでいた。
そしてウタは、歌姫として世界に歌を配信していく中で、世界中の人々が海賊の被害を受け、助けを求めている現実を知り、ウタウタの実の力で「大海賊時代」を終わらせ、人々が夢の世界(ウタの世界)で永遠に辛さを忘れて暮らす「新時代」を作ろうと目論んでいた。

④ウタウタの実の力で全世界の人々を「ウタの世界」に閉じ込めるウタ。
一部の閉じ込められなかった関係者や海軍は、現実世界のウタを止めようとエレジアに迫るが、ウタを亡き者にするだけではウタウタの実の力は止まらないことが判明。

止めるためには、ウタウタの実の能力に対し、ウタの世界と現実世界の両面から「あること」をする必要があった。

⑤ウタを止めるため、麦わらの一味や共に閉じ込められた者達が立ち向かう。
しかし、世界の主導権を握るウタに対し、一向は徐々に追い詰められていく。

絶望的な状況に苦しむ一向だったが、そんなとき、現実世界のエレジアに「赤髪海賊団」が現れる。

「赤髪海賊団」シャンクスの登場により、状況は好転するかに見えた。

しかし、それは最悪の状況を引き起こす最後のトリガーにもなってしまうのであった。

ウタを止めるため、一向は最後の戦いに臨む。

要所は伏せましたが、こんな感じでしょうか。

きれいな流れではありますが、要は過去の因縁から世界を変えようとする者と、それに立ち向かう者たちの戦いです。
なので、普通に見ていると「まあ、感動的な話やなんやかんやあって結局ボスを倒して終わり」な物語です。

味気なく感じる方も多かったかもしれません。

ですが、私が思う、本作のストーリーを楽しむ上で最大のポイントは、「予習」ではないかと思います。

というのも、ちょうど最近、ワンピース本編では大変な秘密が明らかになり、かなりの数の考察動画やワンピースの世界の復習動画が公開されておりました。

私はそれを眺めている内に、フィルムレッドに興味が湧き、鑑賞しようと思い立ったのですが、その関係で、かなりワンピースの世界に詳しくなってから映画を鑑賞しています。

そうすると、出てくる出てくる伏線回収の数々。

一つ一つのシーンは非常に短いカットのため、普通に鑑賞していると理解できないレベルのシーンも多かったです。

ですが、事前にワンピースに詳しくなっている状態で見ると「あ、これがロジャーの言っていた『赤ん坊が久しぶり』の真実か!」や、「おいおい、ルフィの夢の果てって『これ』か!」など、本編では語られていなかった事実が数多く描かれていることに気が付きます。

映画でやってしまっていいんだろうか?と思うほどです。

また、ウタはどういう気持ちでこんなことをしたのか?という考察関係もそれなりに眺めていたので(ネタバレはないもの)、ウタの行動を見るたびに、その気持ちがリアルに想像できてしまい、まさかのワンピース映画で涙がこぼれる事態に・・・。

ちょっと恥ずかしかったですが、おかげで半端なく楽しむことが出来ました。

ですので、単に映画のストーリーを楽しむだけでは、それほど劇的な面白さを得ることはできないかもしれませんが、深くワンピースの世界に触れてからの「FILM RED」はそれはもう面白い映画となっていると思います。もう一回見たい。

最後に

総合的に、私は『ONE PIECE FILM RED』をとても楽しむことが出来ました。

ただ、深く楽しむには事前の予習が欠かせないこと(すでに深いONE PIECE愛をお持ちの方は問題ないと思います)、歌がふんだんに盛り込まれた演出が楽しめるかどうかで評価が変わってくる映画だと思います。

予習のあたりは、脱線ですが、以前「あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない」の映画(総集編プラスアルファ的な内容だったと思います)を友人に誘われて見に行き、本編の復習を怠っていたがために、内容が全然入ってこず、にくい演出も何も全く楽しめず、全力で後悔したこともある私がおすすめいたします。

ぜひONE PIECEの世界を予習(復習か?)してからご覧いただけたらと思います。

それでは、今回はこの辺りで。

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