­­­読みっぱなしは読んでないのと一緒?「読書は1冊のノートにまとめなさい」を読んでみた。

スキルアップ

こんにちは、とらと申します。

今回は、以前大ヒットを記録した書籍「読書は1冊のノートにまとめなさい」を読んでの紹介と感想をまとめました。

「読んだのに内容が出てこない」「面白かったことだけは覚えているのに」「読書が身になっている気がしない」といったお悩みを抱えている方に参考になるかもしれません。

もしよろしければ、ご一読いただけましたら幸いです。

あくまで本ブログでは、感想とご紹介にとどめておりますので、もしご興味が湧きましたら実際に書店や図書館でお求めいただけますと大変うれしく思います。

それでは、始めさせていただきます。

本書が薦めるまとめ方

まず、本書が薦める読書のまとめ方はざっくりと次のとおりです。

① 自分が本当に読みたい本のリスト「探書リスト」を作る。

➁ 本を読みながら気になった部分をピックアップし、「読書ノート」にまとめる

③ いつでも情報を引き出せる「検索テキスト」を作成する

上記の①~③を繰り返すことで、「なぜ読んだのに忘れるのか?」といった事態を解決し、本の内容を主体的に選び、読書内容を深く取り込み、読書後も忘れることなく活用し続けられるようになるというものです。

また、これらを一冊のノートに手書きでまとめていくことを推奨しています。

順番に紹介していきます。

始めに1冊のノートを用意する

まず大前提として、本書ではすべての情報を1冊のノートに時系列順にメモしていくことを薦めています。

書く内容は非常にシンプルで、「メモした日付、書籍のタイトル、著者名、(出版社)」と、読書後であれば「自分にとって重要だった内容(感想)」だけです。

これを、時系列を守り、絶対に逆走しないようにひたすら1冊のノートに手書きでまとめていく、というのが本書の骨子となります。

そんなメモ書きみたいなことをするだけ?と思いますでしょうか?

私も、本書を読んでいる間は、その程度のこと?と思っていましたが、実際にやってみると、これがなかなか自分の読書の理解を支えてくれることに驚いています。

具体的に何を書くのか?は次項からの「探書リスト」「読書ノート」「検索テキスト」でご紹介していきます。

主体的に本を選ぶ「探書リスト」

探書リストは、端的に言いますと「読みたい本のリストアップ」です。

テレビで見た情報などの深堀をしたくなった、別の本を読んでいての引用など、様々な状況で自分が興味を持った書籍を「ルール」に従ってノートにメモしておき、一定の周期で一覧表にまとめて書店で購入する。これだけです。

これって、要は欲しいものリスト?わざわざ手書きで作る意味があるの?と始めは思いました。

本書では「自分が興味を持った内容、読みたいと思った本を書き留めておくことで、自分の本当に読みたい本を蓄積していくことができる。なぜそれを読みたいか、目的意識をもって読めるようになる。」と語られています。

一時的な購買意欲をそそる広告や、書店の平積みでのおすすめによって、読みたくもない本を購入して読まなくなってしまうことを避け、自分が意識して情報を選び、自分に必要な蓄積ができるようになるということです。

もちろん、書店での本との出会いを否定しているわけではありませんでした。

ただ本を選ぶことに主体性を持つこと、自分の中で必要と思った本を見つけ、目的意識をもって選ぶことが大切であると本書では説いています。

宣伝に左右されず、自分の目的に合う本を探すことで自分の中の知識が体系化して深まっていくということは、個人的には、視野が狭くなってしまうのでは・・・、という懸念も少しありました。

しかし「自分で」本を選んでいくことで、自分の中の論理立てがはっきりしていくイメージも同時に持てましたので、意識してリスト化していこうと思う内容でした。

「読書ノート」を残す

読書ノートは、本書の骨子である「1冊のノートにすべての情報をメモしていったもの」そのものです。

本を読んだら「日付、本のタイトル、著者名、(出版社)」と「重要と思ったこと、感想」を書き込む。興味がある本があったら「日付、本のタイトル、著者名、(出版社)」を書き込む。テレビなどを見て、この人の話をもっと深堀してみたいと思ったら「日付、本のタイトル(わかれば、わからなければ何の話だったか)、著者名、(出版社)」を書き込む。

ジャンル分けや、逆走はしてはいけないそうです。

ジャンルを分けると際限がなく、逆走するとスペースの割り当てや前の情報探しが大変になってしまい、要は「面倒くさく」なってしまうからとのこと。

とにかくひたすら書き続けられるようにすることが大切とのことでした。

また、本を読んだ後の「重要と思ったこと、感想」の書き方にはポイントがあります。

それは、本を読んでいるときに「おぉ!」と思った部分を「抜き書き(引用)」し、その後ろに「自分の感想」を簡単に書く、というものです。

抜き書きの始めには「☆」自分の感想の始めには「●」を書いて、区別します。

抜き書きするポイントは、読書中に「おぉ!」と思った箇所の文章にマーカーをして、あとで戻ってきやすいようにドッグイヤー(ページの端を折る)をしておき、独語にひととおり確認してもう一度「おぉ!」と思えた抜き書きをノートに記入し、自分の感想を各文章に対して書きこむそうです。

ただし、「おぉ!」と思った部分であることが大切で、共感したことを書いても意味がないそうです。

共感は、自分の考えと同じものを探す行為であって、自分に新たに知見をもたらしたものではないから、ということでした。

この、「共感は残しても意味がない」という見解はとても新鮮でしたね。

読むときの意識が変わった気がします。

ちなみに、すべての本に対してそうする必要はなく、例えば娯楽として読みたかった本の場合は、「ルール」どおりに書籍の情報を書いた後、「面白かった」「爽快だった」という感想で良いそうです。

それでも、その本を読んだという記録を残すことが大切である、とのことでした。

残したノートを「自分の経験のデータベース」にする「検索テキスト」

「検索テキスト」は、読了した本のリストをパソコンで作ったものです。

といっても、記入する内容は変わらず、「読了した日付、ノートの冊数番号、書籍のタイトル、著者名、(出版社)」をリスト化し、いつでもその本の情報を参照できるようにします。

検索するので、パソコンで作ることが良いそうです。

正直、検索リストは流石に面倒ではないか?と思っていました。しかい、最近昔の本を整理していて「面白かったことだけは覚えているが、内容を覚えていない本」というものがたくさん出てきたことがありました。

良書であったことは覚えているのですが、もう一度目を通してから処分するか決めよう、と思うとなかなか時間を取れず、時間がかかってしまいました。

この検索リストと読書ノートがあれば、過去の書籍で得られた知識をすぐに参照もでき、無駄な時間をかけることもなくなるのではないかと思いました。

本を読んだら「エッセンスは自分の中に残っている」は願望に過ぎない

本書のまとめ方を実施し、いかに自分が読んだ本の情報をロスしていたかを実感しました。

知識はアウトプットすることで、より自分の中で租借され定着すると言われているかと思いますが、手書きで重要だと思った部分を抜き書きし、感想を記載するだけで、自分の意見が明確になることを感じます。

また、一度このようにまとめると、本を読む間も、日常でも、書いた内容をよく反芻するようになります。

そうすると、なかなか書籍の内容を忘れなくなることを実感できました。

本書で引用していたフレーズでショウペンハウエルの言葉で「読書とは、他人の思考をなぞることで、思考の怠慢である。自分で考えろ」というものがありました。著者も「そこまでは言わないが、読書は思考のタダ乗りである」とコメントしていました。

これは私も長年疑問に思っていて、読書で得た知識をただ実践することに不安を感じていたこともあり、痛快でした。

得た知識・思考に対してさらに自分で考えて蓄積する、という行為によって、この疑問が解消されることにも期待をしています。

まとめ

「読書は一冊のノートにまとめなさい」について紹介と感想を記載させていただきました。

「読書ノート」を」作り、「探書リスト」「検索テキスト」を作ることで、読書の内容を自分の中で定着させて、またいつでも活用できるようにする、というのが本書の骨子でした。

また、そうするための詳細なテクニックや、役に立つグッズの情報などにも触れられておりますので、興味が湧いた方は、ぜひ本書を読んでみていただけたらと思います。

実際にノートを作成してみると、明らかに本を読んだあとに、その本に対するイメージが整理されていくのがわかりました。

自分がこの本から何を学んだのかがハッキリとします。

私の「読書はただ人の思考を一時的に借りているだけなのではないか?」という長年の疑問の回答にもなり、読書に対する負のイメージも払拭してくれた本にもなりました。

また、資格の勉強にも応用できそうです。

他にも、おすすめ機能にあふれた現在の状況に対して、自分の主体性の確認にもなりそうな気もしています。飛躍しすぎているかもしれませんが。

それでは、今回はこのあたりで。

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